高松高等裁判所 昭和26年(う)603号 判決
一 原判決挙示の証拠により、昭和二十四年十一月七日高知市中島町八〇番地の堀詰座で前進座高知後援会が主催して前進座によつて「真夏の夜の夢」が昼夜二回上演せられ、その鑑賞者のために一般人百円、学生五十円の各会員券が発行せられ、当日の右料金による有料入場者一般人七百二十七名学生千百二十六名で料金計それぞれ七万二千七百円、五万六千三百円であつたから、右後援会の理事責任者であつた被告人は地方税の特別徴収義務者として、右料金中県税たる入場税(賦課率百分の五十)及び市税たる入場税附加税(本税の百分の二百)に相当する計七万七千四百円を条例所定の期日迄に県及び市に納入しなければならないのに拘らず、これを納入しなかつた原判決摘示事実を認めることができる。右会員券は特殊の者に限らず一般の人に売り出されたもので、その料金は演劇鑑賞の対価たる性質を有すること明瞭であり、地方税法に言う入場料に当ることは疑いのないところである。
一 入場税はいわゆる間接税即ち課税の負担が直接納税義務者に帰せず他の者に転嫁せられる税であるから、特別の事情の認められない限り、入場者より徴収した入場料金はその中に地方税の特別徴収義務者が入場税及び入場税附加税として県市等々に納入せねばならぬ金額を含むもの即ち税込み料金と認むべきであること当然であり、本件料金百円、五十円も亦その場合に当ると認められるのである。
( 註 本件は量刑不当により破棄自判)